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■技術面について

住宅でよく検討する内容ですが、店舗やその他の用途の空間を作る上でも住宅設計は基本となる部分が多く様々な分野において応用がききます。

北海道庁建築指導課主催のインターシップ研修がK邸の現場で開催された時の様子(写真下)

【 断熱性能について 】

性能面の内、建物内の環境計画を考える上で欠かせないのが断熱性能、換気計画、気密性能を同時に考えていく事だと考えています。

断熱性能は、勿論いい事に越した事がありませんが、その分コストもかかります。私の設計では断熱性能の目安であるQ値(熱損失係数)をできるだけ1.0W/㎡Kに近くなるようにします。この数字は小さければ小さいほど断熱性能がいいのですが、ただこの数値を使用して、多種多様な建物同士を単純に比較する事はしません。実際に計算してみるとわかる事なのですが、数値にするという事はやはり誤差もあり、建物によってはどうしても実際の性能との違いがでる場合もあると感じるからです。数字だけにはこだわらず、この値の特性を理解した上で計画するようにしています。

【 気密と換気について 】

気密性能はC値(隙間相当面積)を0.5㎠/㎡以下を目標にしています。この数値もまた小さければ小さい程気密性能がいいということになります。この数値は、壁の内部結露を防ぐと共に、計画的な換気を行う上で重要です。これにより新鮮な空気を取り込んで室内を自然な空気の流れで換気する計画が可能になります。

気密測定試験時の様子(写真左、写真下)

【 暖房について 】

寒冷地の北海道ではとても重要な要素である暖房計画では、主に温水を循環させて、パネルヒーターなどを適切な場所に設置する方法をとっています。特に珍しい方法ではありませんが、設計初期の段階から、なるべく低い設定温度でも冬場の室内の温度差で空気の対流が起こり寒さを感じる事を防止して、できるだけ自然な暖かさを感じる暖房計画にしています。

【 エネルギーについて 】

現時点で低コストで自然環境と共生できて、なおかつどんな条件下でも使用できるような「決め手」となるエネルギーや設備は残念ながら見つかりません。現在はコストや使い勝手、環境の事などその土地に見合ったものの中から最善の方法で採用していますが、将来的に良い方法が普及された時に対応できるように設備や暖房の計画をしています。

【 技術と工法について 】

建築分野では常に新しい技術が開発されおりますが、そこから新しくて良いからと安易に採用はしません。長期に渡ってメンテナンスが可能で、各業者がある程度対応できるようになり、費用対効果が見込めるようになった段階で取込むようにしています。新築では、柱や梁で構成された在来工法でつくります。独占的な工法とは違い、日本の建築では知らない職人がほぼいないといっていい工法です。耐震性や、気密性能の向上など現在も改良されつづけています。

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